水尾

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当店より車で20分程、信州中野も雪国ですが、田中屋さんの地元は毎年2mもの雪が積もる豪雪地域です。田中屋酒造店さんは創業明治6年(1873年)。

奥信濃といわれるこの地で、厳しい自然と向き合いながらお酒を醸してきました。甲斐武田氏の末裔武田貢一が田中家に養子に来た時より酒造業を営んだのがその始まりとされています。現在の主力ブランドは「水尾」ですが、先代の主力銘柄は「金瓢養老」で親しまれていました。現在の社長さん(田中隆太氏)が蔵に入ってから立ち上げたブランド「水尾」。平成24年には 第83回関東信越国税局酒類鑑評会に於いて、名立たるお蔵の中でも頂点の 最優秀賞を受賞。その名をさらに高めました。


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-水-

このお蔵に限っては水の事からお伝えしなければならないでしょう。
社長の田中さんが家業に入り、新たな自分のイメージする酒を目指したとき、理想とする水を捜し求めたどり着いたのが「水尾山の湧き水」でした。お蔵から20km程の処、野沢温泉村「水尾山」のふもとより湧き出る天然水をトラックで運搬して使います。

「甘みと透明感のある」正に銘水。この水を全ての仕込みに使用しております。その地の自然が生み、育み、実らせてくれたものを「人」がまた新たに創造する。日本酒は自然の恵みそのもののような気がします。


-米-

使用米の特徴もこのお蔵にはあります。地元でありながら、長らく使うことが出来なかったお米、「金紋錦」。今改めて気づきますが、社長の考える「地酒を醸す」という意味を、この水と米で理解出来るかと。

お米もほぼ100%が長野県産米で、さらにその70%を蔵から半径5km圏内の契約栽培米を使用しているそうです。長野県産の酒造好適米を基本的に100%使用し、長野県の開発品種である「ひとごこち」・「しらかば錦」はもちろん、大吟醸等上位酒には全国的にも希少品種である地元木島平村産の「金紋錦」を使っています。香りがフルーティでふくよかなコクと旨み。酒米の王「山田錦」とはまた違うスケールを感じます。


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-今、とこれからの酒造り-

その地の自然と恵みを生かした酒造りにこだわって、毎年進化発展してきたお蔵です。なぜこの水なのか、なぜこの米でなくてはならないのか。そのためには何をするのか、造りは、設備は、が「地酒である」ことで全て一本にまとまっているような気がします。

特定名称酒は口に含んだ時に感じるほのかなバナナ系の香り。一番お値打ちの「水尾 辛口」も燗上がりが素晴らしく、冷やで飲んでも良し。水尾のシリーズ一番人気なのも、原料から造りまで「レギュラー酒」であっても一切手を抜かないお蔵の姿勢の表れだと思います。さらに、このお蔵の特徴は何といっても地元産「金紋錦」を使った酒造り。希少品種でもある「金紋錦」の特徴である幅のある味わいと豊な香りを最大限まで引き出しています。天然の湧き水、寒造りに適してるといっても厳しい自然の中で、奥信濃の地酒「水尾」は醸されています。